アルミ調理器具について

安全にお使いいただくために

アルミ調理器具には、安心してお使いいただくために、取扱説明書が添付されていますので、内容をよくお読みください。また、いつでも読めるように、大切に保管してください。

各製品に共通する注意事項

  • 1.

    ご使用時にはコンロの中央に置いて、炎が底面より大きくならないように火力を調整してください。

    炎が底面よりはみ出したままでご使用になりますと、取っ手が熱くなりやけどの恐れがあり、取っ手の損傷、脱落による事故の原因にもなります。また、2口以上のコンロをお使いの場合は、隣接するコンロの炎があたらないよう、火力を調整してください。

  • 2.

    ストーブの上では絶対に使用しないでください。

    ストーブの上で使用されますと、熱湯の入った本体の転倒、お湯の吹き出し、異常過熱などによるやけどの危険があります。

    ※長時間わかし続けると、ちょっとした衝撃で、注ぎ口から熱湯が勢いよく吹き出す現象(突沸〈とっぷつ〉といいます)が起こることがあります。防ぎきれない現象ですので、ストーブでの使用は絶対におやめください。

  • 3.

    こ使用中に取っ手がぐらついてきた場合、そのままで使用しないでください。

    脱落によるやけどなどの事故の危険があります。取っ手がネジ止めされたものは、ネジを締め直してご使用ください。

天ぷらなど揚げ物料理に
ついての注意事項

  • 1.

    調理中は、絶対にそばを離れないでください。

    短時間に油の温度が上昇し、発火するおそれがあります。

  • 2.

    調理に際しては、蓋をしないでください。

    油の温度が異常に高くなり、発火するおそれがあります。

  • 3.

    16cm以下の鍋、20cm以下のフライパン、玉子焼き器は使用しないでください。

    油に引火するおそれがあります。

長くお使いいただくために

アルミ調理器具は、使い方によって製品の寿命が大きく変わってきます。上手な使い方についても、製品に添付されている取扱説明書に記載されていますので、よくお読みください。

各製品に共通する注意事項

  • 1.

    絶対に空だきをしないでください。

    空だきをしますと、次のような問題を引き起こします。

    • 本体が変形します。
    • ふっ素樹脂加工製品では、ふっ素樹脂塗膜が劣化し、料理がこびりつくようになります。
    • アルミやアルマイトが損傷し、色落ち、腐食、穴アキなどが発生します。
    • 取っ手やつまみが損傷し、脱落による事故の原因になります。

    ふっ素樹脂加工製品の予熱の範囲

    ふっ素樹脂加工製品の予熱は、通常のコンロの場合1分くらいまでです。水滴を落として水をはじくくらいが目安になります。予熱の範囲を超えると、空焚きになり塗膜を傷めます。また、連続使用可能温度である260℃を超えると、他のプラスチック同様に分解ガスが発生しますので、空だきしてしまった場合は十分に換気してください。特にハイカロリーバーナーではご注意ください。      

  • 2.

    金属製のお玉、ターナーなどをお使いの際は、内面をキズつけないようにご注意ください。

    キズつけますと、腐食の原因になります。

    ※一部のふっ素樹脂加工製品では、金属製の道具は使えないものがありますのでご注意ください。また、フライパンなどの上で、材料を刻んだりしないでください。

  • 3.

    酢・重曹等の酸性またはアルカリ性のものの使用はなるべく避けてください。

  • 4.

    腐食防止のため、長時間にわたり調理物を入れたままにしないでください。

    (めやすとして一昼夜以上)

  • 5.

    取っ手がこげないよう、炎が底面からはみ出さないように火力を調節してください。

    樹脂の取っ手がこげると異臭がすることがあります。

お手入れのポイント

アルミ調理器具を長く、気持ちよくお使いいただくためには、日頃のお手入れも大切です。

  • 1.

    お手入れには、スチールたわし、アルカリ性洗剤、クレンザーを使用しないでください。

    お手入れには、スチールたわし、アルカリ性洗剤、クレンザーを使用しないでください。

  • 2.

    食器洗浄乾燥機は、アルカリ性洗剤を使用するものが大半ですので避けてください。

    特に木柄の製品は、熱で劣化して取っ手のひび割れ、破損につながりますので絶対に使用しないでください。

  • 3.

    腐食防止のために、ご使用後(洗浄後)は十分に水を切ってください。

こげつきのとり方

料理は、一度こげつかせてしまうと大変とりにくいので、こげつかせないよう注意していただくことが大切です。こげついてしまった場合は、できるだけ早く処置をしてください。ただし、ひどいこげつきの場合は、きれいにとれない場合があります。

ふやかしてとる方法

  1. 鍋に残った料理を、鍋の表面をキズつけない木ベラなどを使ってざっと取り除きます。

  2. 鍋にお湯を入れて弱火でクックツと煮ます。

  3. こげがふやけて浮いてきたら、木ベラなどでゆっくり取り除きます。

  4. あとは柔らかいスポンジで軽く洗ってください。

  5. しつこいこげが残っているようでしたら、もう一度①から繰り返してください。

天日干し

鍋を太陽に当てて、乾燥させて取り除いてください。
2~3日陽に当てておくと、こげがポロポロとはがれてきます。
底面のこげつきは、逆さまにしたほうがよくとれます。

※ナイフなどでこすったり、クレンザーやスチールたわしを使用することは避けてください。ふっ素樹脂加工製品なのにこびりつく場合は、ふっ素樹脂の劣化や摩耗、油膜のこびりつきなどが考えられます。

アルミ調理器具Q&A

消費者の皆様からいただく質間のうち、
代表的なものを取り上げました。

Q-1

アルミ鍋(やかん)を使用していたら、中が黒くなってしまいました。なぜでしょうか?そのまま使って大丈夫でしょうか?また、どうしたらきれいにできますか?

A

アルミ鍋(やかん)の内部が黒くなる現象を、黒変化現象と呼んでいます。
黒くなる原因は、アルミと水が反応を起こし、水酸化アルミをつくって表面に付着することが主な原因です。この物質が、また水の中のミネラル分等と複雑な作用をしてアルミの表面に固着し、黒く見えるのです(褐色に見える場合もあります)。このように、水や調理物に含まれる成分によるものですので、人体への影響を心配する必要はありません。

〈黒変化のメカニズム〉

黒変化のメカニズムについての説明イラスト

〈黒変化のメカニズム〉

黒変化のメカニズムについての説明イラスト

黒変化は、以下のような場合に
起こりやすくなります

  • 生地製品(アルマイトやふっ素樹脂加工をしていない打ち出し鍋など)で起こりやすく、卵をゆでたりすると殻からカルシウムが溶け出し、黒変化しやすい条件になるので、1回の使用でも内部が黒くなることがあります。また、こんにゃくや生中華めんをゆでると黒変化しやすいことも知られています。
  • アルマイト製品でも、次のような場合に黒変化が起こる場合があります。

    水を継ぎ足しながら、ストーブなどで長時間使用したため、水質がアルカリ性になり、アルマイトが徐々に損傷を受けた。

    安全のためにも、絶対にストーブの上では使用しないでください。

    酢などの酸性が強いもの、こんにゃくなどアルカリ性の強い食品を調理したため、アルマイトが損傷した。

    調理後はきれいに洗って、十分に水を切ってください。

    内側をスチールたわしでこするなどしたため、アルマイトが損傷した。

    スポンジたわしを使用してください。

黒変化の直し方は、
以下のような方法があります

Lemon Pan

輪切りにしたレモンの切り口で、黒変部をたんねんにこする。

Apple Pan

水を入れ、りんごの皮を入れて煮沸する。

ただし、これらの方法では完全にとれない場合もあります。人体への影響は心配ないので、そのままお使いいただけますが、どうしてもきれいにしたい場合は、クレンザーやスチールたわしで落とすことができます。ただし、この方法を使った場合、腐食を起こしやすくなります。

Rice Pan

黒変化を落とした後は、再び黒変化しやすいので、水に米ぬかを入れてl0~l 5分煮沸します。そうすると、表面に薄い皮膜ができて黒変化が起こりにくくなります。

Q-2

鍋(やかん)の内側の底にポツポツと白い粉のようなものが吹き出てきました。原因は? 毒性は?

A

白いポツポツは、水道水中の塩素や、ミネラル成分、あるいはこれらがアルミと反応して腐食を起こしてできた水酸化アルミです。この水酸化アルミは医薬品などにも使われているもので、心配する必要はありません。

金属が腐食すると酸化物や水酸化物を生じて、さびが発生します。鉄は赤さびを生じますが、アルミの場合は「白さび」になります。腐食が進行すると、最後は穴があきます。腐食も、黒変化と同様に、生地製品で起こりやすいのですが、アルマイト加工製品でもアルマイトが損傷すると腐食が発生します。腐食の主な原因として、次のようなものがあります。

水質に起因するケース

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水道水中に含まれている塩素、塩化物、ケイ素、金属イオン(鉄、銅、亜鉛イオン等)あるいはアルカリイオン整水器でつくったアルカリ水により、アルマイトが侵食された。

調理物に起因するケース

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調理物に含まれている強い酸性や強いアルカリ性成分により、アルマイトが侵食された。

製品の損傷等に起因するケース

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落としたり、ぶつけたり、キズがつけられたことにより、アルマイトが割れたり磨耗した。この他、ストーブの上で長時間使用すると、アルマイトが損傷します。安全面及び黒変化防止の面からも、ストーブ上での使用は絶対にやめてください。

腐食を防ぐには、こ使用後は中性洗剤とスポンジでよく洗い、十分に水切りをしておくことが大切です。水のくみ置きも避けてください。

Q-3

ふっ素樹脂加工のフライパン(鍋)なのに料理がこびりついてしまいます。なぜでしょうか?

A

ふっ素樹脂加工製品は「物がつきにくい」「他の物と化学的に反応しない」といった性質があり、料理がこびりつかないようになっています。ただし、使っている間に徐々に表面が劣化してくるとこびりつきにくさがなくなってきます。

使い方によってはふっ素樹脂を傷つけ、この性質がなくなってしまう場合があります。その原因は、以下の2つが考えらます。

  1. 空だきや強火で使用したり、角の鋭い金属へらを使用したため、ふっ素樹脂が損傷したことが原因です。 この場合、こびりつきにくさが回復することは考えられません。

  2. 使用後十分に洗わなかった為、洗い落ちなかった油脂が付着していることが原因です。この場合、中性洗剤とスポンジでよく洗えば、こびりつきにくさがある程度回復することが期待できます。

Q-4

ふっ素樹脂加工のフライパン(鍋)の底に、ふくれやはがれが出てきたのですがなぜですか?またはがれたふっ素樹脂が体内に入っても大丈夫でしょうか?

A

ふくれやはがれの原因は、下の2つが考えられます。ふっ素樹脂の安全性については、いろいろな動物実験が行われ、人体に影響のないことが確認されています。万ーふっ素樹脂を食べてしまっても、吸収されすにそのまま体外に排泄されます。

  • ふっ素樹脂加工製品の表面には、目に見えない微細な孔(ピンホール)があります。また、使用中に傷がついたり摩耗したりします。このため料理を入れたままにしておきますと、孔などから油や調味料が浸透して中で加熱膨張したり、素地の腐食を起こしたりして、塗膜を押し上げ、ふくれを生じさせます。このふくれが調理中に破れて、斑点状にはがれてくるのです。これを防ぐには、鍋やフライパンの中に料理を入れたままにしないこと、使用後は十分に洗っていただくことが大切です。

  • ふっ素樹脂加工製品に、角の鋭い金属へらを使用するとはがれの原因になります。

<ふっ素樹脂の安全性>

四ふっ化エチレン樹脂加工のフライパンから、塗膜を採取し、これを10匹のマウスに1週間にわたり、体重lkgあたり4gを与えたのち、解剖したところ各組織には全く異状がなく、体重の変化もみられなかった(なお、フライパン1個に加工される四ふっ化工チレン樹脂の量は、通常3gくらい)。

〔日本弗素樹脂工業会「ふっ素樹脂製品取扱いマニュアル」より)

Q-5

アルミ製の鍋ややかんがアルツハイマー病(認知症)の原因というのは本当ですか?

A

ごく一部でそのような説が唱えられていますが、何ら実証されておらす、大多数の研究者の間では支持されていません。WHO(世界保健機構)やFDA (米国連邦食品医薬品局)、アルツハイマー病協会などでは明確に否定する見解を出しています。これまでアルミ製品で健康障害があったという報告は一例もなく、アルミ鍋を規制している国もありません。アルミ調理器具は安心してお使いいただけます。

  • アルミニウムの摂取と排泄

    ふっ素樹脂加工製品に、角の鋭い金属へらを使用するとはがれの原因になります。

    研究機関(発表年)1日当りのアルミ摂取量
    国立医薬品食品衛生研究所他(2001)平均3.5mg
    岡山大学4.5mg
    昭和女子大学2.4~5mg
    世界保健機構(WHO、1997)2.5~13mg
    米国食品医薬品局(FDA、1995)7~9mg
    英国農漁食料省(MAF F、1993)平均3.9mg
  • あらゆる食品にアルミニウムは含まれています

    アルミニウムは、地表上に豊富に分布しているため、含有量はさまざまですが、すべての食品に含まれています。100g当たりの含有量でみると、次のような食品に多く含まれています。(岡山大学の報告による)

    100g当たり

    ・海草…8.5mg  ・貝類3.8mg  ・大豆・ごま2.5mg

  • 通常の調理でのアルミ調理器具からのアルミニウムの溶出量はごくわずかです

    金属製の調理器具では、どのような素材のものでも、食品と接触した場合、若干の金属の溶出が認められます。アルミ製品からの溶出量は、通常の調理では. lL当たりで0.1~0.3mgという、ごくわずかな量です。(下表参照。アルカリ性の強いこんにゃくのアク抜きの煮汁は、他の料理より多く溶出しますが、飲むものではありません)

    先にみたように、日本人は1日に2.4~5mgのアルミニウムを摂取していると報告されています。これと比べても、調理器具からの取り込み量ははるかに少なく、人の健康がこれで左右されるようなものではありません。

    【アルミ製調理器具からのアルミニウム溶出量】

    Aluminum Elution Pc

    煮沸(95℃以上) 30分、単位mg/Q (当協会調べ)

  • 公的機関や専門家も関係を否定しています

    (一部をご紹介します)

    • WHO(世界保健機構)、ILO(国際労働機関)、UNEP(国連環境計画) 3機関の作業部会報告「アルミニウムが、アルツハイマー病の一次的な原因であることを支持する証拠はない。アルミニウムは、ヒトを含めたいかなる動物種においても、生体内でアルツハイマー病の病態を引き起こさない」

    • 国立長寿医療センター研究所所長・田平武氏(医学博士、現・順天堂大学大学院認知症―診断・予防・治療学教授)「今日では、アルミニウムがアルツハイマー病の発祥に関与していると考える研究者はほとんどおらず、アルミ鍋やアルミ缶、アルミホイルなども全く心配ないと考えられます。」

      (日刊工業新聞2007.12.20「アルツハイマー病研究最前線」より)

Q-6

ガスコンロでガラス蓋付きの鍋(フライパン)を使っていました。ある時突然ガラス蓋が割れました。どうしてなのでしょうか?

A

通常、普通の使い方では割れにくい強化ガラスを使用していますが、次の様な使い方をすると割れることがあります。

  • 吹きこぼれを防ぐために、ガラス蓋を鍋本体からずらして使うなどして炎を直接ガラス蓋に当てること。ガラス蓋が部分的に加熱されて高温となり、破損の原因となります。この場合は、ガラス蓋のステンレスリングの一部が、紫色に変色しています。

  • ガラス蓋が熱いうちに、水をかけたり、濡れた布巾で触れたりすると急激な温度変化により破損する事があります。

  • ガラス蓋をクレンザーや金属たわしで洗ったり、あるいは落としたりぶつけたりして傷をつけると破損する事があります。

Q-7

IHクッキングヒーターについて 質問その①

アルミ製の鍋やフライパンをIHクッキングヒーターにかけましたが熱くなりません。どうしてですか?

A

アルミだけ(ステンレスの貼り底等がない)の鍋、フライパンを、一般的なIHクッキングヒーターに乗せても熱くなりません。ステンレスを貼り付ける等の加工をした、IH対応の製品をこ使用ください。IHの説明書と調理器具の表示の両方をよく確認した上で購入してください。

アルミだけ(ステンレスの貼り底等がない)の鍋、フライパンを、一般的なIHクッキングヒーターに乗せても熱くなりません。ステンレスを貼り付ける等の加工をした、IH対応の製品をこ使用ください。IHの説明書と調理器具の表示の両方をよく確認した上で購入してください。

Q-7

IHクッキングヒーターについて 質問その②

IHクッキングヒーターで鍋やフライパンで調理している最中にブーンという音がしました。大丈夫でしょうか?

A

まれにIHクッキングヒーターで調理中にブーンという音が出ることがありますが、これは、IHクッキングヒーターが発生する電磁波が、調理器具の底面の金属にぶつかって電気的な振動を起こして音が出る現象です。火力を強くするとそれだけ電磁波が大きくなり音も大きくなります。

この場合、調理器物の位置を少し動かしたり、IHの火力調整を少し小さくしたりすると止まる場合があります。詳しくはこ使用のIHクッキングヒーターのメーカーにお問い合せ下さい。

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